狭心症診断の手順

  1. ① 問診:前胸部痛・絞扼感、喉や奥歯の痛み、左肩への放散痛などもあり、数分間(30秒から15分)続き、安静で改善する。階段・坂道歩行などの労作時に出現したり、安静時に出現することも多い。
  2. ② 理学所見(診察、聴診)
  3. ③ 心電図、頚動脈エコー、心エコー
  4. ④ トレッドミル(エルゴメータ)負荷心エコー
  5. ⑤ 冠動脈CT検査
  6. ⑥ 冠動脈造影検査
  7.  ① ~ ④で狭心症の診断ができ、冠動脈狭窄が疑わしい場合は基幹病院へ紹介し⑤⑥に進む

症例 狭心症

10年前から高血圧症で治療中、4年前から当院へ転院。
心電図:異常なかったが、事務作業中にときどき胸痛が数分間出現していた。
頚動脈エコー:動脈硬化は高度(プラーク合計:10.8mm)(3年前9.2mm)
右頚動脈 1.4mm,2.3mm,1.1mm,1.1mm 左頚動脈 1.2mm,2.5mm,1.2mm

トレッドミル負荷心エコーを施行:心電図でⅡ,Ⅲ,aVF、V4~6:ST低下出現

安静時


負荷後


左前下行枝領域の虚血による壁運動異常を認めたので冠動脈CT検査を施行
冠動脈CT検査:左冠動脈前下行枝に石灰化、第1対角枝:50~75%狭窄

左前下行枝
右冠動脈には有意狭窄な


冠動脈CTの結果、ステント植え込みの適応ではないが狭窄がこれ以上進行しないように、内服治療で経過観察とした。