高血圧症
高血圧症と診断されているにもかかわらず自覚症状がないため、長期間治療せずに放置してきた患者さんは少なくありません。 しかし血圧が高い状態のまま放っておくと、動脈硬化による心疾患、慢性腎臓病、脳血管疾患などを引き起こす危険性があります。 したがって高血圧症の原因を解明し、早期に治療を始めることは非常に大切です。 高血圧症は、原因不明の本態性高血圧症と、内分泌性疾患や腎疾患などが原因で発症する二次性高血圧症に分けられます。 その原因を解明するために、内分泌系のホルモン値の検査、腎機能の測定、腎臓・腎血管エコーなどの検査も行っています。 中には手術や腎血管形成術により改善する高血圧症もあるからです。
高血圧基準
診察室血圧 : 140/90mmHg以上
家庭血圧 : 135/85mmHg以上
高血圧の基準値(診察室血圧)
(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編. 高血圧治療ガイドライン2019, P18より作図)
降圧目標
降圧目標は個人によって異なります。詳しくは医師にご確認ください。
(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編. 高血圧治療ガイドライン2019より)
生活習慣の修正項目
- 減塩
- 6g/日未満
- 食塩以外の栄養素
-
野菜・果物の積極的摂取※
コレステロールや飽和脂肪酸の摂取を控える
魚(魚油)の積極的摂取
- 減量
- BMI(体重(kg) ÷ 身長(m)2 )が25未満
- 運動
- 心血管病のない高血圧患者が対象で、中等度の強度の有酸素運動を中心に定期的に(毎日30分以上を目標に)行う
- 節酒
- エタノールで男性20-30mL/日以下、女性10-20mL/日以下
- 禁煙
※重篤な腎障害を伴う患者では高K血症をきたすリスクがあるので、野菜・果物の積極的摂取は推奨しない。糖分の多い果物の過剰な摂取は、特に肥満者や糖尿病などのカロリー制限が必要な患者では勧められない。
(日本高血圧学会高血圧治療ガイドライン作成委員会 編. 高血圧治療ガイドライン2019より)